職場の心理的安全性を高めるためには、感情を言語化して「本音を言い合える環境づくり」が欠かせません。しかし、日本の職場では、我慢や感情を抑える習慣が根強く、「感情を率直に伝えるコミュニケーション」がなかなか浸透しないのが現状です。
私自身、アサーティブ研修で感情の扱い方を伝えるたびに「ここができれば職場はもっと良くなるのに」と感じながらも、抵抗が強く、課題解決に至らず何度も壁にぶつかりました。
そこで私は、日本の文化や働き方に合わせて、感情を直接使わずに伝えられる“ビジネス版アサーティブ”を考えました。
事実・影響・要望の3点で丁寧に伝える方法です。これは、感情の言語化が難しい日本の職場でも取り組みやすい、現実的で実践的なアサーティブの形であり、「伝える理由を明確にする方法」でもあります。
たとえば、部下が上司に「困っています」と伝えたい場面を考えてみます。困っている感情を直接言うのが難しい職場でも、事実・影響・要望で整理すると本音が伝わります。
事実:「今週の担当件数が、通常より5件多くなっています。」
影響:「このままだと、対応が遅れる可能性があります。」
要望:「優先順位を一緒に確認していただけますか。」
感情を使わずに「困っています」という本音が自然に伝わり、職場の空気が大きく変わります。
また、管理職やリーダーが部下に、「期限を守ってほしい」と伝えたい場面でも同じです。上司の本音としては「遅れると困る」「他のメンバーに迷惑をかけたくない」という気持ちがあります。しかし、職場でそのまま伝えると、責められているように相手から受け取られ、心理的安全性を損ねてしまう場合があります。
そこで、困るという感情を言わずに、「事実・影響・要望」の型を使って伝えます。
事実:「昨日提出された資料ですが、提出期限を2日過ぎていました。」
影響:「その分、後続の作業が押してしまい、チーム全体の進行に影響が出ています。」
要望:「次回は期限内に提出できるよう、進め方を一緒に確認しましょう。」
「なぜ伝える必要があるのか」という理由を明確にすることで、部下は責められたと感じず、改善に向かいやすくなります。
本音を言い合える職場は、ひとつの丁寧な伝え方から育ち始めます。理由を言わずに上の人から指示され、意図が見えないまま仕事が進んでモヤモヤするというお悩みを伺うことがあります。
だからこそ、「なぜ伝えるのか」理由を明確にすることが、安心して働ける環境を支える土台になります。
感情を言わずに本音を伝える「ビジネス版アサーティブ」についてご紹介しました。
当教室では、安心して本音を話せる環境づくりを大切にしています。 企業研修も承っております。お気軽にご相談ください。
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