「話し方」のレッスンでは、声や表現のスキルだけでなく、
生徒さんの心の状態に寄り添う場面も多くあります。
そのため、私は心理学の本を読みながら学びを深めています。
今読んでいるのが、自分を思いやる「セルフコンパッション」の本です。
読み進めるうちに、10年以上前の生徒さんとの出来事がふとよみがえりました。
当時、資格試験の面接練習をしていた生徒さんがいました。
本番を間近に控えたレッスンの日、突然その生徒さんが涙をこらえきれなくなり、
レッスンが止まってしまったことがありました。
私はどうしていいか分からず、慰めの言葉をかけ続けましたが、
言えば言うほど涙があふれていきました。
「泣かせてしまったのでは」
「ひどいことを言ったのでは」
「もっとできることがあったのでは」
私には、長い間、そんな思いが心のどこかにずっと残っていました。
生徒さんは、「自分でも、なぜ泣いてしまうのか分からないんです」と言っていました。
今回セルフコンパッションの本を読み進める中で、初めてその時の“涙の正体”が分かったのです。
セルフコンパッションでは、 私たちの心の中には“内なる批判者”がいると言われています。
「また失敗した!」
「資格試験はもうすぐ。またダメだったらどうするの!」
「しっかりしなきゃダメじゃないの!!」
「怠けている!」
自分に向けた言葉が強く厳しくなると、心はその攻撃に耐えられなくなります。
その時に出てくるのが「涙」です。
涙は弱さではなく、「これ以上自分を責めないで」”という心の防御反応だったのです。
心理学を学び始めた頃に、ある先生に相談したところ、
「そういう時は何も言わず、そばにいてあげるだけでいいのよ」と言われました。
でも当時の私は、何もしないことがなぜいいのか理由がわからず、理解できませんでした。
今回、自分を思いやる「セルフコンパッション」の本を読みながらようやく腑に落ちました。
涙が止まらない状態の人は、 もう言葉を受け取る余裕がありません。
慰めも励ましも、処理できないのです。
だからこそ、 ただ静かにそばにいることが、最大のサポートになる。
ようやく、その意味が理解できました。
泣いてしまう人は、「自分がなぜ泣いてしまうのか」その理由を知りたいと思っています。
そして、指導する側も、「泣かせてしまったのでは」と自分を責めてしまうことがあります。
涙の背景にある「自分の内なる批判者の存在」を知るだけで、お互いが少し楽になるのではないでしょうか?
これは、セルフコンパッションを学び始めた私の第一歩の気づきです。
「セルフコンパッション」での学びは、
あがり症克服個別講座「自己肯定感と話す力」に活かしていきます。
4月にスタートした本講座は、どんどん進化しています!
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