個人レッスン中心のスタイルに切り替えて半年。 久しぶりに開催する3時間講座の当日でした。
この講座は、あがりの根本を研究し続けてようやく形になった内容を、初めて提供する特別な3時間講座です。単発だからこそ一発勝負。内容はあがりの本質の核心であり、受講生の皆さんにとっても私にとっても特別な時間になるはずでした。
正直、講師として少しドキドキしていました。そんな緊張感の中、開始30分前に会場へ入り準備を進めようとしたまさにそのタイミングで、予期せぬ出来事が起きました。
会場の鍵を収納しているロッカーのダイヤル式の鍵が開かないのです。
説明には「時計回りに2回3、反時計回りに1回4」とだけ書かれていましたが、これは最初からやり方を知っている人の説明であり、「通過なのか」「合わせるのか」「どこで止めるのか」「どういう種類のダイヤルなのか」という前提が一切書かれていません。
私は焦りながら、あーでもない、こーでもないと5分間格闘しました。
講座受付開始までに、会場ドアに講座名を表示した用紙を貼り付ける、机の並べ替え、受付コーナーの設置、ハンド用消毒液の準備、ペンの配置、話す順番を決めるくじのセット、名札を並べる、配布資料を机に置く、板書する、話す手順を書いた模造紙を壁に貼るという多くの準備をする必要があります。
20分間で整える予定でした。鍵が開かない5分間は講師として本当に長く、段取りが崩れ、焦りが一気に押し寄せ、メンタル的にもかなり厳しい状況でした。
「時計回りに2回3、反時計回りに1回4」という説明を何度試しても開かず、焦りながら試行錯誤。もう泣きそうでした。カチッ!と開いた瞬間は、心底ほっとしました。
今回の出来事は、「説明は、知らない人に合わせて書かなければ伝わらない」ということを改めて実感する出来事でした。
専門家が当たり前に理解していることほど、初心者には最初のハードルになります。前提をそろえること。つまずきやすいポイントを言語化すること。相手の視点で説明すること。
講師として大切にしていることを、改めて深く考えるきっかけになりました。



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